平成28年度 第55回 広島市立牛田中学校
卒業証書授与式
平成29年3月12日(日) 午前9時30分~午前11時10分
広島市立牛田中学校体育館
雲一つない天候に恵まれ、
吹奏楽部の演奏する「威風堂々」の曲に合わせて
1組から4組までの卒業生165名が厳かに入場しました。
【最後の贈り物・・・三村校長先生の式辞】
第五十五回 卒業証書授与式 式辞
春の日差しも うららかさを増してきました。
今日の佳き日、多数のご来賓の皆様 坪井PTA会長様をはじめ
多くの保護者の皆様のご臨席をいただき第五十五回 広島市立牛田中学校 卒業証書授与式を
盛大に挙行できますことを 本校職員を代表いたしまして 心よりお礼申しあげます。
さて、卒業生の皆さんは本日 この日を持って九年間の義務教育を修了し
中学校の学び舎を巣立ちます。
先ほど 1人1人に
「おめでとう、日本の未来を、そして、21世紀の世界を よろしく頼みます」
という願いを込めて 卒業証書を渡しました。
昨年度より 卒業証書は 平和記念公園の「原爆の子の像」に
平和を祈って捧げられた折鶴の再生紙が使われています。
また そこには 若き日の父母が
一生懸命 考え 願いを込めてつけてくださった皆さんの名前と
多 くの方々に祝福され 喜びに満ちて誕生した日にちが 記されている
世界にたった一枚の 価値ある 卒業証書です。
こうして皆さんの前に立つと、
とても幼く あどけなかった 入学式での姿を 思い出します。
また 二年生での長崎への修学旅行が印象的です。
平和の語り部の永野さんのお話を伺い
広島で学ぶ中学生として
「平和の鐘」を合唱をしたとき堂々とした皆さんの姿に
図らずも 永野さんが大粒の涙を流されたシーンです。
皆さんは とても驚いた 表情をしていました。
でも、私には 永野さんの 涙の意味が分かりました。
皆さんが本気で行うことは
自分自身のためだけでなく
他の人の心を打つことを実感したことでしょう。
あの感動は 皆さんの宝物となっていると思います。
実に多くのことを学び 心身共に 成長しましたね。優しく 優しく 成長しました。
三年間 毎朝 皆さんの登校を 坂道の途中で 迎えました。
重たい鞄には 授業道具と一緒に 沢山の夢や希望
そして 悩みや 葛藤もいっぱい詰めこんで 大人への階段を
一歩ずつ
一歩ずつ 登っていました。
「自分とは 何だろう。何のために勉強をしなければならないんだろう」と
そんな自問自答を繰り返ししながら。
時には、歯を食いしばるような姿で
時には友達同士 肩を寄せ 励まし合って
登校している姿がありました。
そうして 大人になる階段を
徐々に 確かな足どりであがる姿を
頼もしく 見つめていました。
この間 リオでのオリンピック・パラリンピックの開催やカープのリーグ優勝など
大きな感動とともに
国の内外において 多難であり 何が真実か 何を信じれば良いか
分からない出来事もありました。
そして おそらく 希望とともに更に
変化の激しさを増す時代となっていくことでしょう。
これから皆さんが生きていく社会は
ひとりひとりが個人として自立すると同時に
お互いの違いを尊びながら 生きる力が求められます。
その力とは 違いを認めながら 手を繋いでいく力です。
それこそが 牛田中学校で学び つかんでほしい力でした。
皆さんが生きる将来は少子高齢化が 今よりずっと進み
若者として生産を支えることが求められると同時に
人工知能やIT化により 現在の職業以外の新たな職業や能力も求められるという
今まで経験したことのない社会といわれます。
そんな社会でみんなが幸せになる生き方とはどんなものでしょう。
それは、いろいろな違う人同士が いかに仲良く支え合って生きるか ということであり
「共に生きていく知恵」が求められるに違いありません。すなわち、人の心を感じることができる感性、的確に判断できる知性、どんな困難にも粘り強く絶えられる体力、
そういうものを基礎とし その上に 形成される連帯・共に生きる力です。
皆さんは、こうした世界に生きています。
皆さんの進路は様々ですが、学びは続いていきます。
皆さんの命が続く限り 続いていくことでしょう。学びとは、そういうことなのです。
皆さんが立派な人間に成長していくことが
自ら人類の生存と調和に貢献していることなのです。
そう信じています。
以前 学校朝会で イソップ物語の中から、「ゼウスと人間」の話をしたことを 覚えてくれているでしょうか。
人間が
神であるゼウスに
『動物には 力、速さ、など様々ものを お恵みになっている。
わたしだけは、お恵みに預かれずにおります。』と言いました。
すると ゼウスは『お前に与えた贈り物に気がついていないな。
一番大きな贈り物を手にしたというのに。
おまえは、知性と理性という力をもったのだ。
知性と理性は、それはどんな力よりも強く、速いもののなかで一番速い。・・・』
即ち、人間は、理性や知性という、
我慢したり、考えだしたりする力をもらった動物。
他の動物よりも大きな学習する脳をもらった動物というお話でした。 少し創作を加えました。
「ところで、人間よ。お前に与えた知性と理性という力は、ただでは役に立たないぞ。
お前が自分で、学び、鍛え、磨きをかけないと、
何の役にもたたないものなのだぞ。」
紀元前のイソップの話を もう一度 心に 刻み 学び続けてください。
保護者の皆様。本日は おめでとうございます。
立派に成長されましたお子様の姿に感慨ひとしおのものがおありになると存じます。
三年間にわたり いろいろなご心配をおかけいたしましたが その間 本校の教育に対して 温かいご理解とお力添えをいただきましたことを 心から お礼申しあげます。
また 御来賓の皆様方には 日頃より 影となり 日向となり 支えていただきましたことを 感謝申しあげます。 今後とも 地域の学校として 御支援いただきますよう お願いいたします。
それでは 新しい人生の旅立ちにあたり 卒業生の健やかな成長を祈り 本日の式辞といたします。
平成二十九年 三月十二日
広島市立牛田中学校長 三村 千秋
恩師に見守られて入場 |
三村校長先生から卒業証書を授与 校長先生から一人一人に声を掛けながら・・・ 一人一人に、厳しい表情からやさしい笑顔に・・・。 |
受領後、卒業生一人一人が来賓の前で丁寧に一礼。 「感謝と礼儀」 将来を頼もしく感じました。 |
受領後、一人ずつ恩師に一礼しています。 「先生方、ありがとう!」 |
坪井PTA会長の挨拶 「牛田中で学んだことを礎に、失敗を恐れず、 次の目標に向かってください」 |
来賓紹介
紹介された来賓は、大きな声で「はい!」と返事をして、
「おめでとうございます」と添えます。これが伝統になっています。
今年は卒業生も、全員来賓の方を向いてくれています。
来賓を大切にする気持ちが伝わりました。
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卒業生「門出の言葉」 |
卒業生による「合唱」 |
卒業生退場 |
終始、厳かに式典が進み、
後輩や多くの保護者の前を通って卒業生が退場しました。
恩師も来賓も全員が起立して、
「これからもがんばれよ」と大きな拍手で見送りました。
三村校長先生と同じ年に入学した卒業生。
「わが子を見送るようでした」と、
3年間を見守った校長先生。
ご卒業 おめでとう!
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