皆さんに授与した卒業証書は、
世界平和を願って「原爆の子の像」にささげられた年間1千万羽を
超える折り鶴を再生したものです。
また、ヒロシマを学び、世界の人々の平和への思いや願いを
共有した証としての折り鶴の模様がプレスされています。
世界中の方々の平和を願う心が織り込まれた証書には、
皆さん一人一人の大切な名前が記されており、中学校三年間の努力と
仲間と支え合い高め合ってきた確かな歩みを証明する
世界に一枚の価値ある卒業証書です。
三年前、入学式の日から皆さんの「大人になるための自分探し」という
「学び」が始まりました。
自分とは何かを考え、どんな自分になりたいか実行し、
どう生きるのか問い続ける日々が始まったのです。
振り返れば、
一年生では、創立五十五周年を記念し、
アートストリートプロジェクト「描こう!平和と絆の花」として
登校坂に描かれた百メートルの壁画を見事に復活させました。
平和を祈り牛田山全てを照らす太陽、太田川や空をバックに個性あふれる
千個の命の花々はこれからも輝きを放ち続けることでしょう。
二年生では、通学かばんの重さ解決について、
先生や保護者の方々と共に自分事として考えてくれました。
ロッカーをきれいに使うこと、忘れ物をしないなど生徒一人一人の意識が高まるなか、「置き勉」について考えることを通して発揮された「信頼と生徒力」は
全国的にも話題となりました。
自立した生徒の姿を示した「置き勉」の取組は、
牛田中学校の伝統の一つとして
後輩たちに引き継がれていくことでしょう。
三年生では、伝統ある牛田中学校のリーダーとして、
これまで積み上げた力を勉学や部活動などに遺憾なく発揮してくれました。
全国の舞台で活躍する友人達と切磋琢磨してきたことは
皆さんの自分探しの旅に
大きな影響を与えたことでしょう。
また、生徒会執行部が中心となり、衣替えを自主的に出来るように改善したり、
体育祭や合唱祭などの学校行事で、それぞれの良さや違いを認め合いながら
友人達と深く関わったりしたことは、
牛田っ子が目指す姿である
「自立し互いに支え合い高め合う生徒」の姿そのもので、
とても誇らしく思いました。
皆さんは、牛田っ子の最高学年として、牛田中のみならず、
この牛田のまちを希望の光で明るくしてくれたのです。
本当にありがとう。
自分とは何か、どんな自分になりたいか、どう生きるのか。
皆さんの「大人になるための自分探し」は新しいステージを迎えます。
三年間で学び合い、高め合ったことは、皆さんの将来にとって、
何物にも代えがたい貴重なものです。
ぶつかり合い、悩みながらも育んだ友情、
一人ではできないことが協力し合うことで実現した学校行事、
昨日わからなかったことが今日はわかるようになった授業。
そうした日々こそが中学校生活であり、
仲間とともに歩んだ毎日に、何一つ無駄なものはありません。
また、当たり前のように過ぎていった毎日こそ感謝すべき日々でもあります。
卒業を機に、これまで皆さんを支えてくださった、たくさんの方々に
感謝の気持ちを伝えてください。
「ありがとう」の言葉を添えて。
そして、皆さんが牛田中学校で学んだことを心に刻み、これからの人生を豊かに明るく歩んでくれることを願っています。
保護者の皆様。本日はおめでとうございます。
立派に成長されました御子様の姿に感慨ひとしおのものがおありになると存じます。
在学中はいろいろな御心配をおかけいたしましたが、その間、本校の教育に対して温かい御理解と御力添えをいただきましたことを、心から御礼申しあげます。
おめでとうございます。
御来賓の皆様方をはじめ地域の皆様には、
日頃より本校を支えていただきましたことを深く感謝申しあげます。
卒業していく生徒たちは、まだまだ皆様方の支えが必要です。
今後とも御指導くださいますよう御願い申し上げます。
卒業生の皆さん、御卒業、本当におめでとう。そしてありがとう。この日が来ることはわかってはいたものの、いざ当日となると、喜ばしくもあり寂しくもあり。
皆さんの将来が光り輝くものとなることを祈念し、式辞といたします。
令和二年三月十二日
広島市立牛田中学校長 長谷川 洋
長谷川洋校長先生式辞
【能美和基PTA会長挨拶】
祝 辞
卒業生の皆さん、保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。
皆さんは、中学校生活を
保護者の皆さん、教職員の皆さん、地域の皆さんに見守られながら
先輩、後輩、同級生と共に過ごして今日の日を迎えられたことを
忘れないでいただきたいと思います。
本日、PTA会長としての祝辞が新型コロナウイルス感染のため紙面配布となりました。せっかく紙面配布となりましたので、言葉では説明できない表を入れて伝えさせていただきます。
本日皆さんには「ペリー幼稚園プログラム」という論文を紹介させていただきます。
「ペリー幼稚園プログラム」とは、
1962年から1967年にアメリカの心理学者などの研究グループが、
ミシガン州のいわゆるスラム街といわれる地区の幼稚園で、
年齢が3歳および4歳でのIQが70~85の学校教育上の「リスクが高い」と判定された、
アフリカ系アメリカ人で貧困層に属していた123人の子供を対象とし、
教師一人に対して児童数5.7人と比率を低くした学校教育を、
平日午前の2時間半提供して毎週家庭訪問を行い、
このようなプログラムに登録されなかった同じ様な子ども達と比較することによって、
成果を測定する研究論文で、今でも追跡調査をしています。
このプログラムでの教育に関する効果は
項目
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ペリー就学前プロジェクトを受けた子供
|
対照グループ
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IQが90以上(5歳)
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67%
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28%
|
特別支援教育の対象者
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15%
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34%
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基礎学力の達成(14歳)
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49%
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15%
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高校のGPA(成績評価値)
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平均GPA2.03
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平均GPA1.73
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高校を卒業
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77%
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60%
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留年・休学せずに高校を卒業
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66%
|
45%
|
と、IQで見ると3歳から5歳では高くなりますが、8歳ぐらいから効果がなくなります。
しかし、高校を卒業する率や留年・休学をしないところでは成果が上がっています。
では、この「ペリー幼稚園プログラム」では何がおきたのでしょうか?
勉強の教育もですが、効果を上げたのは
忍耐力や社会性などの「生きる力」を上げる教育でした。
この「生きる力」とは、
日本では挨拶をする、靴を揃える等の 躾(しつけ)といわれるものになります。
このことが追跡調査で、経済状況に関する成果では、
項目
|
ペリー就学前プロジェクトを受けた子供
|
対照グループ
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雇用率(40歳)
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76%
|
62%
|
平均年収(40歳)
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約21,000ドル
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約15,000ドル
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持ち家(40歳)
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37%
|
28%
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車の所有(40歳)
|
82%
|
60%
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生活保護の非受給率(40歳)
|
29%
|
14%
|
と、仕事、年収等に大きく影響することがわかりました。
躾(しつけ)とは身(み・からだ)を美しくすることです、これからの皆さんの人生において
学力も当然大切なものですが、学力だけではなく
「生きる力」を育み、自分に自信を持って新しい生活を歩まれることを記念して
祝辞とさせていただきます。
PTA会長 能美 和基
能美和基PTA会長祝辞
【在校生送る言葉】
沖井心音さん生徒会長
教務主任の安武先生より同窓会入会の会長メッセージを紹介していただきました。
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